東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の勝俣恒久元会長ら旧経営陣に23兆円余りを会社に賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審で、現地での進行協議が25日に行われ、東京高裁の木納敏和裁判長らが同原発敷地内を視察した。
訴訟では2021年10月、一審東京地裁の裁判長らも同原発を視察。22年7月の判決は「津波対策を取れば事故を防げた可能性は十分にあった」として勝俣元会長ら4人に計13兆3210億円の賠償を命じ、旧経営陣と原告側双方が控訴した。
終了後に取材に応じた原告側代理人弁護士によると、視察は午前11時半ごろから午後3時40分ごろまで実施。1~6号機周辺や原発を見渡せるデッキなどを回った。木納裁判長らは興味深そうに説明を聞き、疑問点を東電社員に尋ねていたという。
控訴審は11月に結審する見込みで、判決前に現地の様子を確認する必要があると判断したとみられる。【時事通信】