東京電力柏崎刈羽原発から5~30キロ圏内のUPZ(避難準備区域)にある7市町の議員らでつくる「UPZ議員研究会」(会長・関三郎見附市議)は23日、国は原発の再稼働にあたって立地自治体だけでなく、UPZの7市町にも「地元同意」を求めるべきだとする声明を発表した。近く経済産業省資源エネルギー庁を訪ねて、直接申し入れる方針だ。
研究会は2020年に発足し、7市町(長岡、上越、燕、見附、小千谷、十日町の各市と出雲崎町)に柏崎市を加えた地域の議員66人で構成されている。福島第一原発事故後、UPZの7市町に避難計画の策定が義務づけられたことから、再稼働の是非についても、7市町が意思表示できるようにすべきだと主張している。
この日、県庁で記者会見した関会長は、「地元の理解を得た原子炉の再稼働を進める」との政府方針に基づき、斎藤健経済産業相が今年3月、花角英世知事、桜井雅浩柏崎市長、品田宏夫刈羽村長と協議した点について「『地元』の範囲が示されないまま、理解を求めた」と批判。「立地自治体よりも広い範囲での理解が必要」と訴えた。
関会長は7号機の原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷(そうか)」が進む現状に「再稼働に向かって進んでいるという実感がある。エネ庁に求める必要があると判断した」と語った。今後、7市町の首長に対しても、議会での論戦を通じて同調を求めるという。
研究会は21年に東電と各自治体が結ぶ安全協定に、再稼働への同意に関する規定などを盛り込んだ新協定案を作成。住民説明会などで周知を図ったが、協定締結の当事者である首長から賛同は得られなかった。(戸松康雄)【朝日新聞】