原子力規制委員会は17日の定例会で、能登半島地震で被災した北陸電力志賀原発1号機(石川県、停止中)で、原子炉の下にある、制御棒を出し入れする機器(CRD)を支える器具の一部が脱落していたと明らかにした。能登半島地震の影響とみられる。
北陸電によると、外れたのは四つの部品(計45キロ)で、CRDを収納する設備が破損した場合に、落ちてきた制御棒が完全に抜けないよう支持する役割がある。溶接やボルトで固定されておらず、落ちやすい構造だという。北陸電は、能登半島地震の揺れで脱落したとみている。
3月に実施した耐震設備の点検で脱落が発覚した。さらに点検をした上で、9月までに元に戻すとしている。安全上重要な設備には位置づけられておらず、原子炉内に核燃料は入っていないため、安全性に問題はない。
規制委の山中伸介委員長はこの日の記者会見で「重大だという認識ではないが、地震の揺れで簡単に脱落するのはあまり好ましいことではない。何らかの改善は進めてほしい」と対応を求めた。【毎日新聞】