福井県は、県内原発(商用炉8基、出力計773・8万キロワット)の2023年度運転実績をまとめた。関西電力の全7基が稼働し、総発電電力量は前年度比1・58倍の442・5億キロワット時。東京電力福島第1原発事故の影響を受けた12年度以降で最高となった。
23年度は関電高浜1、2号機がともに約12年ぶりに再稼働した。発電能力に対する実際の発電量の割合を示す設備利用率は65・1%で前年度比23・9ポイント増。運転中のトラブルによる停止はなかった。日本原子力発電敦賀2号機は福島事故以降、稼働していない。
運転実績の内訳は、美浜3号機57・3億キロワット時、大飯3号機91・7億キロワット時、同4号機89・8億キロワット時、高浜1号機48・0億キロワット時、同2号機40・0億キロワット時、同3号機58・5億キロワット時、同4号機56・9億キロワット時。稼働したプラントに限った設備利用率は76・6%となり、前年度を11・9ポイント上回った。
安全協定に基づき県に連絡のあった異常事象は5件。このうち法律に基づく国への報告対象は3件あり、高浜1号機の蒸気発生器に2次冷却水を送る系統の配管で発生した蒸気漏れによる電気出力抑制と、同3、4号機の蒸気発生器の細管損傷だった。
【福井新聞】