東京電力は17日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、2023年度の最後となる4回目の海洋放出を完了した。
東電によると、昨年8月の放出開始以降、計約3万1200トンの処理水を放出。放出で空になった貯蔵タンクは容量1000トンが5基、700トンが6基の計11基。24年度は7回に分けて計約5万4600トンに放出量を増やす。放出する水に含まれるトリチウムの総量は約14兆ベクレルとなる計画で、23年度の3倍近くに増える。
処理水には、浄化設備で除去できない放射性物質トリチウムが主に残る。これまでの海水のトリチウム濃度測定では、昨年10月21日の1リットル当たり22ベクレルが最も高かった。政府や東電が定めた放出基準の同1500ベクレルを大きく下回っている。
放出開始後、中国は日本産水産物の輸入を停止。東電が支払った風評被害の賠償額は、14日時点で約53億円に上った。中国は海洋放出への批判を続けており、影響は長期化しそうだ。【東京新聞】