11日午後2時46分。
東日本大震災の発生から13年。
亡くなった人は、1万5900人。
今もなお、2520人の行方がわかっていない。
FNNが取材したのは、原発事故により一時、全域に避難指示が出された福島・双葉郡の大熊町。
13年前から時が止まったままの光景が広がっていた。
被災地を取材すると、女性にとって生活しにくい実態が浮かび上がってきた。
居住人口における女性の比率をFNNが調べたところ、大熊町は32%で最も低く、続いて、隣の富岡町は36%にとどまっている。
取材班が大熊町で見たのは、屋根が崩れ落ちたままの店や窓ガラスが割れた建物。
そこで出会ったのは、大熊町で活動する女性グループ、通称「熊女」のメンバー・谷田川佐和さん。
約50人が参加する熊女のLINEグループで、町内の女性と交流を深め町を盛り上げている。
“熊女”メンバー・谷田川佐和さん「大熊の女子の中には、町で自らイベントをやる人もいる。応援のためにわたしたちも行くよーって」
女性が少ない現状を、ある自治体の関係者はこう推測している。
震災直後、被災地には避難した人と入れ替わる形で、原発作業にあたる多くの単身男性が入ってきた。
その後、女性は避難先で家庭を築く一方、被災地に戻るのは、家を守りたいと考える多くの高齢男性。
結果、男女比7対3のいびつな現状が生まれたと説明する。
全国で2番目に女性が少ない富岡町。
町で唯一の女性町議・高野匠美議員に町を案内してもらうと、服を売っている店舗には男性物がずらり。
富岡町唯一の女性町議・高野匠美議員「なんとか女性物も置いてくれるようになったけど、こんな感じ」
店には家族に向けた商品も売られているが、まだ追いついていないのが現状。
富岡町唯一の女性町議・高野匠美議員「人が住むにはどうしたらいいか、あらためて考えていかなきゃいけないな。女性にもっと寄り添って、いろんな女性の話を聞くべきだと思う」【福島テレビ】