原子力規制委員会で初代の委員長を務めた田中俊一さんが、柏崎市で講演し地震と原発事故が同時に発生した場合の避難のあり方について語りました。
講演は、柏崎市の主催で開かれました。田中元委員長は、地震や津波と原発事故が同時に起きる「複合災害」が発生した場合には、放射線の影響よりも自然災害から命を守ることに専念すべきと述べました。「放射線による健康被害などは長期間継続した被ばくが要因であり避難に際しての被ばくは影響が少ない」と説明しています。
■原子力規制委員会元委員長 田中俊一氏
「放射線被ばくの避難は慌てる必要はない。放射線被ばくの影響は短時間ではなく、被ばく量が蓄積しておきる。」
そのうえで能登半島地震以降、有効性に疑問の声が上がっている屋内退避について言及。福島第一原発事故での関連死のデータを示し、「避難指示を出した自治体では長時間の移動が負担となり死亡率が上がった一方で、屋内退避をした自治体では死亡率が低かった」として、屋内退避の重要性を強調しました。【新潟テレビ21】