電気事業連合会は16日、大手電力会社が原発の燃料用に英仏で保管中のプルトニウム計1・7トンを各社間で「交換」する契約を結んだと発表した。プルトニウムを使う「プルサーマル発電」を実施する九州、四国電力が、他社の保有分を消費することで、核兵器の材料にもなるプルトニウムを削減する狙いだ。
大手電力各社は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理と「MOX燃料」の製造を英仏に委託し、国内の原発で使ってきた。だが、英国の燃料工場は閉鎖し、製造できなくなった。一方、九電と四電がフランスで保管する分は少なくなり、MOX燃料が尽きたため、2社はプルサーマル発電を一時中断することになった。
そこで、2社は英国で保管中のプルトニウム計1・7トン分と、東京電力や中部電力など5社がフランスで保管している計1・7トン分を帳簿上で「交換」する契約を15日付で結んだ。実際の移動は伴わない。【朝日新聞】