東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水の除染設備から洗浄廃液が建屋外に漏れ出た事故で、東電は8日、作業手順では閉めるべきだった手動の弁が開いていたため、廃液が漏れたと発表した。人為的なミスの可能性が高い。
除染設備がある建屋外に漏れ出た洗浄廃液の水たまり=福島第1原発で(東京電力提供)
東電によると、除染設備内を洗浄する際、作業手順は建屋外への排気口につながる配管の手動弁を閉めるよう規定。しかし、本来なら閉じなければいけない弁10カ所がすべて開いており、水の通り道ができていた。弁が開いていた理由について、東電の広報担当者は8日の記者会見で「調査中なので分からない」と繰り返した。
漏えい事故は7日午前9時ごろに発生。部品交換に向けて設備の放射線量を下げるため、設備内を洗浄していたところ、排気口から廃液約5.5トンが建屋外に漏れ出た。地面に染みこんだ可能性があり、東電は8日から土壌の回収を始めた。海など敷地外への漏えいはないという。【東京新聞】