「またもや…」そんな声が聞こえてきそうなトラブルです。福島第一原発で汚染水を浄化する装置の排気口から放射性物質を含む水が漏えいした問題を受け、東京電力が、水がしみ込んだとみられる土壌の回収を始めました。
■2月7日 東京電力の担当者
「第2セシウム吸着装置、サリーと呼ばれるものですが、こちらのベント口(排気口)から水が漏えいしていることを確認しています。」
東京電力は7日、汚染水を浄化する装置の排気口からセシウムなどの放射性物質を含む水が漏れたと発表しました。装置は点検作業中で、閉まっているはずの手動の弁が16個中10個、開いていたということです。
漏れたのは、最大で220億ベクレル5.5トンと試算され、大部分が土にしみ込んだとみられています。
汚染水に関係するトラブルをめぐっては、2023年10月に作業員が放射性物質を含む液体を浴びる事故もありました。
こうしたトラブルに安全な廃炉作業や処理水の放出を求めてきた漁業者は?
■いわき市 志賀金三郎さん
「何やってんだと、あまりに漁業をバカにしているんじゃないかと、そんな気持ちできょうはみんな操業していました。」
福島県内の漁業は、2023年の水揚げ量が速報値で震災後最も多くなるなど、処理水が放出されても順調に推移しています。
それだけに海に関わるトラブルはないようにと志賀さんも話します。
■志賀金三郎さん
「(海に)出た場合どうなるんだと、風評だけではすまない。しっかり管理してもらうってことは訴えたいね。」
東京電力は水がしみ込んだとみられる土壌の回収を8日から始めるとともに、閉まっているはずの弁がなぜ開いていたのかなど聞き取り調査を進めています。
この問題を受けて福島県は、8日午後、福島第一原発の田南所長に「原因の究明と再発防止の徹底、また県民の目線に立った情報発信に責任を持って取り組むこと」などを求めました。
田南所長は「徹底した原因の分析と再発防止を図り、今回のようなことが2度と起こらないように取り組んでいく」と話しました。
夕方の会見で東京電力は、午後4時50分から土壌の回収を始めたということです。
【福島中央テレビ】