原子力規制委員会が昨年末、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に対する事実上の運転禁止命令を解除したことについて、事務局の原子力規制庁は22日、同原発が立地する柏崎市内で住民説明会を開催した。参加した住民からは「東電の改善は継続されるか」など不安の声が多く出た。
説明会には、武山松次検査監督総括課長、熊谷直樹核物質防護指導官ら4人が出席。参加者からは「原発に携わる人が時間とともに変われば、文化も変わる。改善が一過性では困る」といった声が多く出された。熊谷氏は「改善状況を引き続き規制委の検査の中で確認していく」とした。
また、同原発が能登半島地震クラスの地震に見舞われた場合の不安を口にする地元住民もおり、規制庁は「能登半島地震の教訓や知見をもとに、見直しなどを検討する必要はあると思っている」と答えた。
同原発では令和3年1月以降、IDカードの不正利用や侵入検知設備の故障などが相次いで判明。規制委は同年4月、核燃料の移動禁止命令を出し、運転できなくした。
規制委は延べ4268時間の追加検査を実施。昨年12月27日、テロ対策の改善を確認できたとして、事実上の運転禁止命令を解除した。東電の原発を運転する適格性についても、平成29年の新規制基準審査に続き再度確認した。【産経新聞】