川内原子力発電所の20年の運転延長をめぐり、県議会は、19日の本会議で延長に賛成する陳情を採択、反対する陳情などを不採択としました。
県議会は事実上、運転延長を容認する姿勢を示したことになり、塩田知事は今後、県としての考えを表明する方針です。
川内原発の原則40年の運転期間が、1号機で来年の7月、2号機で再来年の11月に迫る中、原子力規制委員会は、先月、九州電力が申請していた20年の運転延長を認可しました。
19日開かれた県議会の本会議で、運転延長をめぐって提出されていた3件の陳情について採決が行われ、「地域経済の活性化につながる」などとする延長に賛成する陳情は、39人が賛成、11人が反対で採択されました。
一方、「原発ゼロと再生エネルギーへの転換を進めるべきだ」とする延長に反対する陳情と、「検討課題が多く残されていて結論を出すべきではない」とする陳情は、いずれも不採択に賛成が39人、反対が11人で、不採択になりました。
この結果、県議会は事実上、運転延長を容認する姿勢を示したことになります。
これを受けて塩田知事は、今後、県としての考えを表明する方針です。
このほか、19日の本会議では、台風被害への復旧対策費や県職員の給与の引き上げにかかる経費、それに、老朽化や災害対策で道路や河川を補修するための公共事業費など、あわせて379億3000万円あまりの補正予算案が可決されました。
県議会が事実上、川内原発の20年の運転延長を容認する姿勢を示したことについて、塩田知事は記者団に対し、「本会議での討論などを経たうえで、県議会としての判断が示されたと考えている」と述べたうえで、今回の県議会の判断を踏まえて県としての考えを整理する方針を改めて示しました。
また、表明の時期については、「はっきりとしていないが近日中にご説明したい」として、年内にも明らかにする考えを示しました。
また県議会は、19日の本会議で、屋久島沖で先月、オスプレイが墜落した事故を受けて、国に対する意見書を賛成多数で可決しました。
意見書では、「住宅地や航行中の船舶の上空からオスプレイが墜落した場合には、県民を巻き込む大惨事につながりかねず、強い懸念と不安を県民に抱かせていることは、誠に遺憾だ」としたうえで、県民の不安を払拭(ふっしょく)するよう十分配慮することを求めています。
そして、▽原因究明の徹底と再発防止に万全を期することや、▽これらが行われるまでは、オスプレイの飛行を停止すること、それに、▽地域住民などに丁寧な情報提供を行うことをアメリカ軍に要請するよう求めています。
県議会では、国に対して、この意見書を今月中に提出する予定です。【NHK】