福井県の杉本達治知事は13日の定例記者会見で、廃炉作業中の高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の直下に活断層が通るという専門家の指摘について、「研究者の一つの見解。安全に対しては一義的に(原子力)規制委員会に責任を持っていただく」との考えを示した。県から改めて規制委に対応を促す考えはないという。
10日に福岡市であった日本活断層学会で、広島大の中田高名誉教授らが発表した。敦賀半島にかかる白木(しらき)―丹生(にゅう)断層が、もんじゅの敷地内まで達する可能性について指摘している。
直下の断層については、規制委の有識者会合が2017年に「活断層ではない」と判断。杉本知事は「今までも議論があった中で、大丈夫ということだった。規制委には技術的、科学的な見地からやっていただきたい」と述べた。
県の対応については、「即座に考えているところではない」としながらも、必要に応じて県原子力安全専門委員会などで議論する可能性を示唆した。知事自らが規制委に対応を求めるかについては、「規制委がどう考えるかが一番だ」と否定した。
もんじゅでは、廃炉作業が進む一方で、敷地内には新たな試験研究炉の設置も検討されている。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構は「すでに規制委に確認をしてもらっている」とし、特段の対応はとらない方針という。【朝日新聞】