東京電力福島第1原発周辺の海水や魚介類などの放射性物質を分析している国際原子力機関(IAEA)は19日、福島県いわき市の久之浜(ひさのはま)漁港を訪れ、水揚げされた魚をサンプルとして採取した。第1原発の処理水の海洋放出後としては初の調査で、IAEAの専門家のほか、IAEAから指名された第三国研究機関として初参加の中国を含め、韓国、カナダの専門家ら9人が参加した。
調査は、日本のデータの信頼性や透明性を確保する目的で日本政府が要請し、2014年から毎年実施している。日本とIAEAが共同でサンプルを採取し、個別に分析している。主に放射性セシウムを検査対象としていたが、昨年からはトリチウムも加えた。
この日早朝、漁港で水揚げされたマアジ、チダイをはじめ6種類の魚がサンプル用に選別されると、各国の専門家たちは写真を撮ったり、資料と見比べたりしながら観察していた。
サンプルは各国の機関で分析し、IAEAが評価する。評価結果が出るまで1年ほどかかる見込みだという。【毎日新聞】