東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を受け、国際原子力機関(IAEA)は16日、同原発周辺の海水などの調査を開始した。調査には、IAEAが指名した中国の分析機関が初めて参加した。
23日までの期間中、IAEAと、環境省や水産庁、原子力規制委員会、東電が共同で、原発周辺の海水や魚類などを採取し、各機関で放射能濃度などを測定する。初日は海水と海底土を採取した。データはIAEAが集約し、報告書として公表する。
調査には、IAEAが指名した中国自然資源省第3海洋研究所、韓国原子力安全技術院、カナダ保健省が第三国の立場で参加している。2014年の調査開始以来、中国の分析機関が選ばれたのは初めて。IAEAは科学的根拠に基づかず放出に反対する中国を加え、より客観的に安全性を検証する狙いがあるとみられる。【読売新聞】