福島第一原発の処理水について、東京電力は5日午前10時18分、気象条件などに問題がないことから、2回目となる海洋放出を始めました。
東京電力は、2回目の放出に向けて、海水で薄めたおよそ1トンの処理水を放出前の水槽に移すなど、準備を進めてきました。サンプルを採取して測定した結果、トリチウム濃度は基準の1リットルあたり1500ベクレルを下回っていることが確認されていました。
処理水は、今年度タンクおよそ30基分の3万1200トンを4回に分けて放出する計画です。1回目の放出は、8月24日から9月11日まで行われ、7788トンが放出されました。東京電力によりますと、トラブルは確認されず、周辺海域のモニタリングでは、これまでに沖合10地点の観測で、放出停止の基準となる700ベクレルを大幅に下回っています。2回目も、1回目と同じ程度のおよそ7800トンの処理水が海に放出される計画で、期間は17日間を見込んでいます。
東京電力は「2回目の放出についても、初回と同じく計画通り放出完了できるよう最大限の緊張感を持って取り組んでまいりたい」とコメントしています。
放出によって心配されているのは、「新たな風評の発生」です。福島県のいわき市漁協によりますと、常磐ものの代表格「ヒラメ」の価格は、去年9月は1キロあたり平均2251円だったのに対し、今年9月は平均2448円でほぼ横ばいだったということです。他の魚種を見てみても価格に大きな変動はなく、影響は見られないとしています。1回目の放出後には、県産水産物を応援する動きも出ています。ただ、漁業関係者は「一度のミスで信用を失い、取り返しのつかない事態になる。東京電力にはヒューマンエラーが決して起こらないよう、最後まで緊張感を持って取り組んで欲しい」と訴えています。【テレビユー福島】