関西電力が高浜原子力発電所(福井県高浜町)から取り出した使用済み核燃料をフランスに向けて搬出する計画で、関電と国が「(使用済み燃料の)中間貯蔵と同等の意義」と説明していることについて4日、前日に続き行われた同県議会本会議の一般質問では、「問題の先送り」などと疑念が示された。杉本達治知事は「ボールは国に返っている」として、県が求めている国からの再回答を重視する姿勢を強調した。
一般質問では、三田村輝士(てるし)議員が「このままでは中間貯蔵の問題が先送りになるばかりか解決しないまま進み、県の発言力が低下してしまう」と懸念を示し、「『(関電などの)理屈は受け入れられず、中間貯蔵の計画地点を明示してほしい』とはっきりいうべきではないか」と迫った。
これに対して杉本知事は「国と関電の説明は分かりにくく具体性に乏しいので、国に再度回答を求めている。(令和3年10月に閣議決定された)国の第6次エネルギー基本計画でも、使用済み燃料対策は国が前面に立って主体的に対応することとされている」と述べ、国の再回答や立地自治体、県議会の議論を聞いて最終判断すると語った。
使用済み燃料を巡っては、関電は3年2月に県に対し、今年末までに中間貯蔵施設の県外候補地を確定すると約束し、確定できなければ県内の運転開始から40年超が経過した原発の運転停止を表明している。
関電の森望(のぞむ)社長は今年6月12日、杉本知事にフランスへの搬出計画について伝えて「約束はひとまず果たされた」との認識を示し、同月19日に西村康稔経済産業相も追認していた。【産経新聞】