政府が今夏にも予定する東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、公明党の山口那津男代表は2日、海水浴シーズンを避けるべきだとの認識を示した。そのうえで、政府側に「風評(被害)を招かないように、慌てないでしっかり説明を尽くしてほしい」と求めた。
訪問先の福島市内で、記者団の取材に応じた。山口氏は「いたずらな不安を招かないように配慮があってしかるべきだ。(海水浴の)シーズンにわざわざ排出する理由も特にない」と主張。「科学的根拠に基づいて客観的に説明が尽くされることを期待したい。根拠なき批判を招かないような丁寧な対応のうえでタイミングを計っていくべきだ」とも語った。
処理水をめぐっては、希釈して海に流すための海底トンネルなどの設備の設置が6月26日に完了。原子力規制委員会による検査でも問題は見つからず、放出の準備が整いつつある。一方、放出には地元の漁業関係者や、中国や韓国などの海外の反発も根強い。【朝日新聞】