福島第一原発の廃炉に向けて、福島県民の目線で安全を確認していくための会議が福島市で開かれました。参加者からは、「処理水放出について国の説明が不足している」など不満の声が上がりました。
「福島県原子力発電所の廃炉に関する安全確保県民会議」は国や東京電力の担当者が、被災自治体の住民や農林水産業の代表などに対して、廃炉に関する状況を説明するもので定期的に開かれています。
このなかで政府が夏ごろまでに海へ放出する方針の処理水について不満の声が上がりました。
■富岡町の代表 石黒洋一郎さん
「国の方でしっかり安全だと断言しないとALPS処理水の放水は無理なんじゃないかと私は思うんですけど、もっと踏み込んで広報することはできないんでしょうか」
また万が一、風評被害が生じた場合の賠償についても厳しい指摘がありました。
■県飲食業生活衛生同業組合 福地雅人さん
「追加の補償の問題、大変進んでいない状況。もしも(処理水による風評被害の)賠償をやるやると言っても…遅れたりということが起きるんじゃないか」
福島県民からの指摘に、国は「あらゆる方策を使って処理水の安全性の発信に努めていく」と説明し、東京電力は「風評被害があった場合、しっかり対応していく」と答えました。【福島中央テレビ】