脱炭素社会の実現などに向けて原子力発電を最大限活用するため実質的に原発の運転期間の上限を超えて運転できるようにする法案が26日、衆議院の経済産業委員会で一部修正が加えられた上で賛成多数で可決されました。
電気事業法や原子炉等規制法などの一部を改正する法案は、現在の法律で最長60年とされている原発の運転期間について、審査などで停止した期間を除いて、実質的に上限を超えて運転できるようにするほか、運転開始から30年以降は10年を超えない期間ごとに機器や設備の劣化状況を確認して管理計画を策定し、原子力規制委員会の認可を受ける必要があるとしています。
26日の衆議院の経済産業委員会では岸田総理大臣が出席し、法案の質疑が行われました。
このなかで原発の最大限の活用について、東京電力福島第一原発の事故の反省に逆行するのではないかと問われたのに対し、岸田総理大臣は「高い独立性を有する原子力規制委員会が厳格な審査を行い、規制基準への適合性が確認できなければ運転は一切認められない」として、安全確保が大前提だとする考えを改めて示しました。
この法案をめぐっては、与党側が日本維新の会や国民民主党との修正協議に応じ、原発の活用にあたる国の責務として、電力の大消費地である都市の住民の協力を得るなどとする文言が追加されています。
この修正案は26日の委員会の採決で賛成多数で可決されました。
法案は27日の衆議院本会議でも可決され、参議院に送られる見通しです。【NHK】