原発の安全性に関する新潟県独自の“3つの検証”をめぐり混乱が続いています。
柏崎刈羽原発の再稼働の判断材料となる3つの検証は、それぞれの委員会の検証が終わり、残すは、検証総括委員会の取りまとめでしたが、運営方針などで県と委員長の意見が食い違い、取りまとめが終わらないまま委員の任期が切れました。
再任されなかった前委員長が19日に県庁を訪れ、任期を延長しなかった理由などを質す要望書を県に提出しました。
【記者リポート】
「池内前委員長が任期切れの後、初めて新潟で会見を開きます。今後の方針など発言が注目されます」
県独自の3つの検証をめぐっては、「柏崎刈羽原発の安全性なども議論したい」とする池内了前委員長と、「検証総括委員会に求めている議論ではない」とする県の間で意見が割れ、委員会が2年以上開催されないまま、先月末で委員の任期が終わりました。今後の総括の仕方は不透明となっています。
他の前委員らと県庁で会見を開いた池内前委員長は、県の対応に不満を露わにしました。
【総括検証委員会 池内了 前委員長】
「総括書を出すという任務が宙に浮いてしまった、この問題を知事はどのような責任を感じているのか。直接お伺いして、話を聞くということは考えております」
そして…
【池内了 前委員長】
「知事宛ての要望書と質問事項が入っておりますので」
「任期を延長しなかった理由」や「委員会の新たな発足の有無」などについて、公開の場で花角知事に質問したいとする要望書を県に提出しました。
要望書は、池内前委員長と3人の前委員の連名で出され、質問機会を設けること、経緯への認識を共有することなどを求めています。
一方、その前に行われた花角知事の定例会見。池内前委員長が公開の場での質問を要望する考えであることを問われると…
【新潟県 花角知事】
「受け取ってから考えますけど、これまでずっとやりとりしてきてますので、今さら何をお聞きになるのかよくわかりません」
要望書が提出されたことを受け、花角知事は「これから内容を確認し、対応を検討する」とコメントを発表しています。
原発再稼働の判断の要となる“3つの検証”は終わったものの、それを取りまとめるはずだった委員がいなくなるというまさかの事態。県は、いったいどのように収拾するのでしょうか。【TBS】