福井県は4月4日、県内原発(商用炉8基、出力計773・8万キロワット)の2022年度運転実績を公表した。関西電力の5基が稼働し、総発電電力量は279・3億キロワット時。発電能力に対する実際の発電量の割合を示す設備利用率は41・2%。ともに東京電力福島第1原発事故以降、最も高かった21年度を下回った。
運転実績の内訳は美浜3号機43・6億キロワット時、大飯3号機71・9億キロワット時、同4号機74・5億キロワット時、高浜3号機54・3億キロワット時、同4号機34・9億キロワット時。稼働したプラントに限った設備利用率は64・7%となり、21年度を16・8ポイント下回った。
県原子力安全対策課は、新規制基準で設置が義務づけられたテロ対策用「特定重大事故等対処施設」の設置工事やトラブルで定期検査の期間が長くなったことを利用率低下の要因に挙げた。運転中だった高浜4号機の原子炉が1月に自動停止したことも影響した。
安全協定に基づき連絡のあった異常事象は7件。このうち法律に基づく国への報告対象は2件で、高浜4号機の自動停止と蒸気発生器の細管損傷だった。【福井新聞】