日本原子力発電敦賀原発2号機を巡っては、原子炉建屋直下に将来動く可能性のある活断層があるとの評価が2度にわたり示された。評価が確定すれば廃炉は避けられないが、日本原電は「活断層ではない」として、再稼働に向けた審査を申請。ただ、地質データの書き換え発覚などを受けて、実質的な審査は進んでいなかった。
敦賀2号機は1987年2月に営業運転を開始。東日本大震災後の2012年、経済産業省原子力安全・保安院(当時)の調査で、原子炉建屋の直下にある「破砕帯」が活断層である可能性が浮上した。
調査を引き継いだ原子力規制委員会の専門家調査団は13年、破砕帯を活断層と認定する報告書を規制委に提出。その後、日本原電が追加した資料を踏まえて再検討したが、調査団は15年に改めて「活断層」と結論付ける報告書をまとめた。
これに対し、日本原電は同年11月に再稼働を目指して規制委に審査を申請。建屋近くには「浦底断層」という別の活断層もあり、耐震設計が焦点となったが、規制委は問題の破砕帯に関する審査を優先。耐震性などの審査はほとんど進んでいない。【時事通信】