敦賀原子力発電所2号機の再稼働を目指す日本原子力発電は17日、安全審査の資料で新たに8か所の地質データの誤りが見つかったと、原子力規制委員会の審査会合で報告した。誤りはこれまで見つかったものを含め、計165か所に上る。規制委の石渡明委員は「不十分な資料で審査に入れない」などと述べ、審査を継続するかどうかも含め、4月にも規制委の会合で議論する考えを示した。
同2号機を巡っては2020年、日本原電が原子炉建屋直下にある断層の活動性に関わるデータの審査資料を無断で書き換えていた問題が発覚し、審査が中断した。規制委は昨年12月、再発防止の社内体制が整えられたとして審査を再開したが、資料の誤りが見つかり、実質的な審査に入れない状況が続いている。
規制委事務局・原子力規制庁の担当者は「ここ数年で何回も修正の報告がある。再び誤りが見つかったことは大変遺憾だ」と指摘。石渡委員も「重大に受け止めてほしい」と反省を促した。
これに対し、日本原電は他にも誤りがないか確認を進めるとし、剱田裕史副社長は「原因分析をしっかり行い、是正措置を講じる。その上で全体を整理した資料を作成して説明したい」と述べた。【読売新聞】