原発の60年超運転に向けた新たな規制制度を決めた原子力規制委が入る東京都港区のビルの前には、制度改正に反対する市民らが「規制委は役割を果たせ」と抗議の声を上げた。
再稼働阻止全国ネットワーク、原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動、原子力規制を監視する市民の会の3団体が集まった。
政府が目指すのは、原発の再稼働に向けた審査や司法判断などで停止した期間を運転期間から除外することで、事実上、60年超運転を可能にすることだ。再稼働阻止ネットの共同代表、柳田真さん(82)は「休んでいた期間を十数年、延長したら70年になる。地震国の日本で、大事故を着々と準備する道になる」と訴えた。
ネットワークメンバーの木村雅英さん(75)は規制庁職員の前で、反対の申し入れ書を読み上げた。8日の定例委員会で唯一、60年超運転を容認する制度に反対した石渡明委員の意見を支持すると強調した上で、「意見公募で多くが方針に反対しており、老朽原発のトラブルも絶えない。原子力規制庁と(原発推進の)資源エネルギー庁の秘密会合も明らかになっており、推進側に取り込まれている」と述べた。【東京新聞】