関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で、核分裂で放出される中性子の急減を検出器が示して1月30日に自動停止した問題で、同社の水田仁・原子力事業本部長代理が3日、県庁を訪れてあらためて謝罪した。原因の解明にはいたっていないという。
対応した県安全環境部の野路博之部長は「予期せぬ形で緊急に停止したのは県民に不安を与えるもの。遺憾だ」と伝え、原因究明と対策を求めた。
関電は昨年11月、高浜3、4号機の運転期間の20年間の延長を原子力規制委員会に申請するために、蒸気発生器の取り換えの事前了解を県に対して求めていた。野路部長は「まずは今回のトラブルの対応に注力してほしい」と述べた。
一方、水田氏は「多大な心配をおかけし、おわび申し上げます。原因の調査に最優先で取り組む」と謝罪した。
水田氏によると、これまでの調査では、設置されていた四つの検出器に異常は認められていないという。一方で、自動停止する前には原子炉内で核分裂反応を抑える「制御棒」を動かす装置の故障を示す警報が3回にわたって出ていたことが分かっている。
自動停止した30日の未明にも警報が鳴っており、水田氏は「因果関係を含めて慎重に調査を進める」と話した。【朝日新聞】