東京電力福島第一原発事故の避難者が東電に損害賠償を求めた訴訟の原告団長を務めた僧侶の早川篤雄(はやかわ・とくお)さんが二十九日、肺炎のため死去した。八十三歳。福島県出身。自坊は福島県楢葉町大谷西代五八の四、宝鏡寺。通夜は二〇二三年一月六日午後六時から、葬儀・告別式は同年一月七日午前十一時から宝鏡寺で。喪主は長男貫之(やすゆき)さん。
原発事故で一時、町外への避難を余儀なくされ、一二年に避難者が東電を相手に福島地裁いわき支部に提訴した訴訟の原告団長を務めた。最高裁で二二年三月、国の基準を上回る計約七億三千万円の賠償を命じた二審仙台高裁判決が確定し、六月には東電から謝罪を受けた。
住職を務めた宝鏡寺には、原爆投下後の広島から持ち帰られた残り火と長崎の被爆瓦から採った火を合わせ、脱原発や核兵器廃絶を願う「非核の火」がともされている。【東京新聞】