立憲民主党の菅直人元首相が9日の衆院経済産業委員会で、「原発回帰」の姿勢を強める岸田文雄政権に脱原発を迫った。菅氏は東京電力福島第1原発事故発生時の首相。ロシアによるウクライナの原発に対する攻撃で「原発の安全保障上のリスク」が明確になったと指摘した。西村康稔経済産業相は電力の安定供給と脱炭素化のため、原発の活用を推進する方針を改めて説明した。
「原子力を発電としてまだ使おうとするのか」。菅氏は衆院経産委で、ウクライナの原発に対するロシア軍の攻撃に触れ、原発に対する武力攻撃の危険性を強調。再生可能エネルギーを普及させることで「10年後の原発ゼロを目標にするべきだ」と訴えた。
西村氏は「武力攻撃に対する安全確保の方法は不断に検証、改善し、万全を期す」と反論。エネルギーの安定確保のためには「再生可能エネルギーだけでは極めて難しい。脱炭素のベースロード電源としても原発は不可欠だ」と述べた。【北海道新聞】