政府が検討する「原則40年、最長60年」と規定された原発の運転期間の見直しを巡り、この規定を削除しないよう求める署名運動が、インターネットを中心に広がっている。運動を取りまとめる国際環境NGO「FoEJapan」は「規定の削除は、東京電力福島第一原発事故から得た教訓をないがしろにし、国民を守る責任を放棄したものだ」と協力を呼びかけている。
署名を集めているのは、全国の22の市民団体。政府は年末に原発の活用策を示す方針で、その前に市民の声を届けようと緊急署名を始めた。署名は年内まで受け付け、10月中に集まった分は11月7日に経済産業省と原子力規制委員会へ提出する。
運転期間の規定は、2011年3月の福島第一原発事故を受け、老朽化した原発の稼働による事故リスクを抑えるため、12年に与野党が合意して原子炉等規制法(炉規法)を改正して導入された。原則として40年間の運転に制限し、1回だけ最長20年の延長ができるとしている。
政府は8月末、運転期間の延長など原発の積極活用を目指す方針を打ち出した。規制委の山中伸介委員長も「原発の利用政策に意見をする立場ではない」として、炉規法の規定削除を容認する姿勢を示している。
FoEJapanの満田夏花みつたかんな事務局長は「運転期間に上限を設けることは規制の一部として極めて妥当であり、福島事故を受けた重い規定をなくしてはいけない」と訴える。27日時点で、同会ホームページでのネット署名は、1676人と90団体から集まったという。【東京新聞」】
署名を受け付けるサイトはこちら。
https://foejapan.org/issue/20221010/9607/