関西電力の元役員らが福井県高浜町の元助役などから金品を受領していた問題で、市民団体は6日、土砂処分工事などを巡り、元助役が関係する建設会社と違法な取引をしたとして、豊松秀己元副社長ら元役員3人について会社法違反(特別背任)などの疑いで大阪地検に新たに告発状を提出した。
告発状によると、土砂処分に絡み、豊松元副社長ら3人は建設会社に相場より高値で発注するなどして関電に損害を与えたとしている。
関電は4月、こうした土砂処分などでコンプライアンス(法令順守)違反があったとする「コンプライアンス委員会」の調査結果を公表していた。
一連の問題では、東日本大震災後に減額した役員報酬を退任後に補填することを決めて関電に損害を与えたなどとして、同団体はこれまでに元役員9人について告発状を提出したが、大阪地検特捜部は2021年11月に全員を不起訴とした。
処分を不服とする申し立てを受け、検察審査会は22年7月、八木誠前会長ら3人を「起訴相当」と議決し、特捜部が再捜査している。【日本経済新聞】