大熊町の一部の避難指示が解除され、福島第一原発が立地する町としては、初めて帰還困難区域の住民が戻って暮らせるようになりました。
課題は山積していますが、明るい兆しもあるようです。
「特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されました。」
避難指示が解除されたのは、町の中心部にあたる大野駅周辺のおよそ860haです。
30日は午前9時の解除に合わせて、大野駅では町や警察などによる防犯パトロールの出動式が行われました。
【遠藤記者】
「大野駅から車で5分ほどのところですが、整備が進められたり、車通りはありますが、住民の姿はありません。」
解除された地区には、およそ6千人が住民登録していますが、この日に向けて準備するための宿泊を申請していたのは18世帯49人でした。
去年11月の調査では、戻りたいと考えている町民が13%ほどいましたが、避難先から通いながら住宅や農地の手入れをしている人がほとんどです。
【佐久間住夫さん】
「ここ11年半、長いような短いようなやっとという感じ」
「出来るだけ、生まれたところで生きていこうかなと思っている。」
佐久間住夫さんも避難先のいわき市から通っている一人。
かつてはこの場所で牛を飼い、コメを育てながら家族と暮らしていました。
自宅は2021年解体しましたが、いずれ再建して戻りたいと考えています。
【佐久間住夫さん】
「除染しました。解除になりました、はい帰ってきてくださいでは、我々、帰ってきても何もできない。」
「少しでも自分で農家のまね事してるけど。」
大熊町では、義務教育学校の完成も遅れ、来年夏ごろの予定です。
【KFB福島放送】