福島第一原発の事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人が強制起訴され、一審で無罪となった裁判の控訴審は、現場検証などが行われないまま、きょう結審しました。
東電の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人は原発事故をめぐり、業務上過失致死傷の罪で強制起訴されました。
一審は2019年「巨大な津波の発生を予測できたとは認められない」などとして無罪を言い渡し、検察官役の指定弁護士が控訴していました。
きょう、東京高裁で開かれた控訴審で指定弁護士は、震災前に政府の地震本部が出した「長期評価」を根拠に、「3人は津波を予見できたし、すべきだった」と指摘。「長期評価の信頼性を否定した一審判決は誤りだ」と主張。
一方、弁護側は「一審に誤りはなかった」として無罪を主張しました。
控訴審では、指定弁護士が現場検証などを求めましたが、行われないまま裁判はきょう、結審しました。【TBS】