東京電力の旧経営陣に刑事責任を問う裁判。第二回目の控訴審で、裁判所は検察官役の指定弁護士が求めていた証人尋問や、福島第一原発での現場検証を却下した。
原発事故当時、東京電力の経営トップだった勝俣恒久元会長など旧経営陣3人は、
福島第一原発の津波を対策を怠り、避難によって近くの病院の患者を死亡させたなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われ、強制起訴された。
一審の東京地裁は「津波を予測することはできなかった」として無罪を言い渡し、検察官役の指定弁護士が控訴。
去年11月に開かれた控訴審の初公判で、国の地震評価の信頼性を裏付ける資料や専門家の証人尋問などの採用を求め、裁判所の判断が注目されていた。
福島原発告訴団・武藤類子団長「なぜ原発事故が起きたのか、どうして防ぐことができなかったのか、この責任はだれにあるのか、裁判所の良心を信じます」
9日開かれた第二回目の公判。東京高等裁判所の細田啓介裁判長は、検察官役の指定弁護士が提出した資料などを証拠として採用。
一方で、国の地震評価の策定に携わった専門家など3人の証人尋問は「必要性がない」として却下し、福島第一原発などでの現場検証も行わないとした。
福島原発告訴団・河合弘之弁護士「がっかりだなという気持ち。日本の歴史で最大の公害事件を引き起こした被告人たちの責任を見極めてやろうという気迫が少しも見られなかった」
【福島テレビ】