北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の敷地内断層問題が決着する見通しになった。14日、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査(安全審査)会合が都内で開かれ、北電は昨年11月の現地調査で規制委から求められた追加調査の計画を説明。委員から異論は出なかった。会合後、原子力規制庁の大浅田薫安全規制管理官は、早ければ3月に開く会合で結論が出ると見方を示し、内容について「(敷地内断層に活動性はないとする)北陸電力の主張通りということだ」と述べた。
全ての敷地内断層に「活動性はない」と結論が出れば、北電が目指す志賀原発の再稼働は大きく前進することになる。この日、大浅田安全規制管理官は、これまでの審査会合で北電が提出した資料と、現地調査の結果から「敷地内断層に対する疑問点はほぼなくなった」とも説明した。
新規制基準は活断層の上に重要施設を置くことを禁じており、敷地内断層に「活動性がある」と結論づけられれば廃炉になる可能性が高い。志賀原発を巡っては、規制委の前身である原子力安全・保安院が2012年に敷地内断層の活動性を指摘。その後、規制委の有識者調査団も同様の判断を下した。
16年に始まった審査会合で北電は、活動性を否定する科学的根拠の提示を求められてきたが難航。20年7月、ボーリングで得た岩盤内の鉱物を分析する「鉱物脈法」によるデータを示したところ、規制委は高く評価。議論は進み、昨年11月の現地調査にこぎ着けた。
14日の会合で北電は、敷地内に16カ所ある鉱物脈法の評価地点のうち、委員から「不明瞭」とされた5カ所を再度観察することを説明。「一部では断層が活動していないことを示すデータが得られた」とした。規制委からは「鉱物脈法による評価は重要。全ての地点で明確なデータを示してほしい」との意見が出た。
北電の小田満広常務執行役員原子力本部副本部長は「趣旨を踏まえしっかり対応してきたい」と述べた。【北日本新聞】