関西電力は23日、美浜原子力発電所(福井県美浜町)1、2号機の廃炉作業を報道各社に公開した。廃炉作業は2017~45年度にかけ4段階で実施する計画で、21年度は第1段階の最終年度にあたる。タービンを回した後の蒸気を水に戻す復水器の解体撤去を進めていた。
これまでの廃炉作業では、原子炉関連設備などの除染や放射能の調査、タービン建屋内機器の解体工事、未使用の燃料の搬出などを実施してきた。現在は復水器を解体して搬出する作業に取りかかっており、22年2月ごろまでに完了する見通し。廃炉費用として計681億円を見込む。工事の進捗は予定通りだという。
国から認可を得られれば、22年度から原子炉周辺設備の解体など第2段階に移る。1、2号機運営統括長の苗村昌嘉氏は「今後は放射性物質を含む設備の解体に移る。これまで以上に注意を配り、丁寧に工事を進める」と話した。
美浜1、2号機はそれぞれ1970年、72年に営業運転を始め、2015年4月に運転を終えた。東京電力福島第1原発事故後に定められた新規制基準では耐震性が厳しく求められ、敷地の狭さから補強が難しいなどとして廃炉を決めた。【日本経済新聞】