内閣府は22日、豪雪時に東京電力柏崎刈羽原発で重大事故が起きた場合の住民の被ばく防護措置について「屋内退避を優先する」との基本的な対応方針を示した。内閣府、新潟県などの関係機関が同日、避難支援体制について県庁で協議した「地域原子力防災協議会作業部会」で提示し、了承された。今後、関係機関がどのような役割を担うのか対応の具体化を協議する。
昨冬の豪雪で数日間にわたる大規模な道路渋滞が発生したことなどを受け、作業部会は3月の前回会合から、原発事故と豪雪の複合災害に関する検討を始めていた。
基本方針では、暴風雪などで気象庁から特別警報が発表された場合、即時避難区域(PAZ)である原発から半径5キロ圏内の住民も、安全が確保されるまで屋内退避を優先するとした。避難する際は、状況に応じ、あらかじめ決めている避難先の変更も検討する。
関係機関が情報を一元化して除雪に当たるとしたほか、今後、優先的に除雪するべき道路を特定する必要性も記した。
この日の作業部会では、内閣府が、PAZ内の高齢者ら「要支援者」の避難に必要な福祉車両数は計146台との想定も新たに公表した。
会合後、内閣府の担当者は、原発事故と豪雪が重なる複合災害時の対応について「どう具体化していくのかが当面の課題だ」と説明。一方、PAZ内の要支援者の避難のための福祉車両については、県と県ハイヤー・タクシー協会との協定などを踏まえ「想定した必要数を確保できる」との見方を示した。【新潟日報】