原子力規制委員会は、おととしから福島第一原発で放射線量が下がった場所を中心に事故調査を再開し、先月26日には、1号機の原子炉などが入る建物を調べました。
1号機は、核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」を起こし、水素爆発が起きましたが、規制委員会が公開した建物内部の映像では、コンクリートや金属の破片が床に散乱している様子が捉えられています。
また、建物の4階には、事故の初期段階に原子炉を冷却するのに使用した「非常用復水器」と呼ばれる設備があり、2つ並んだオレンジ色のタンクが確認できます。
原子炉の蒸気がタンクの中の配管を通ると、冷やされて水に戻る仕組みで、電源がなくても稼働する重要な設備ですが、事故の際は十分に生かされませんでした。
規制委員会は「非常用復水器」周辺の放射線量について、最大で1時間当たり34ミリシーベルトあり、汚染されたがれきの影響で比較的高い値だったとする一方、設備そのものの損壊は大きくないとみています。
規制委員会は今後も調査を継続し、原発の安全対策に反映すべき課題がないか検証するとしています。【NHK】