東京電力は25日、福島第1原発の4号機建屋周辺の「凍土遮水壁」で見つかった局所的な温度上昇の原因調査で、凍土壁の地下2・5メートル付近に地下水面を確認したと発表した。何らかの原因で地下の水の流れに変化が起き、地中温度が上昇した可能性がある。
凍土遮水壁は汚染水増加の原因となる地下水の流入を防ぐ設備で、局所的な温度上昇は8月下旬に始まった。
地下水面は15日から実施していた掘削調査で見つけた。凍土壁の地下2・5メートルの温度は通常、マイナス10度以下だが、21日時点で16度あった。周辺が融解状態となり、凍土壁の一部が薄くなっているとみられる。
水がどこから流れてきているのかは不明。東電は12月初旬にも凍土壁の縁側の地中に銅板を埋め込み、止水できるかどうかを確かめる。壁の内側の地下の調査では水の層は見つかっておらず、現時点で遮水機能は維持できている。
これとは別に、第1原発1号機の原子炉格納容器内部の調査について、来年1月中旬から水中ロボットを順次投入する詳細計画も明らかにした。
約7カ月間かけて格納容器の底に堆積する溶け落ちた核燃料(デブリ)の状態をカメラで確認したり、堆積物のサンプルを吸引採取したりする。【河北新報】