福島第一原発の事故で古里を失ったとして、宮城などに避難した住民が国と東京電力に損害賠償を求めた裁判の控訴審が始まりました。
この裁判は、福島県富岡町などから宮城などに避難した住民ら約80人が、原発事故で古里を失い、精神的な苦痛を受けたとして、国と東京電力に損害賠償を求めているものです。
一審の仙台地裁は東京電力に約1億4500万円の支払いを命じた一方、国の責任は認めませんでした。
原告は控訴審で損害賠償の額を判決より約4億円増額することや、国の責任を認めることを求めています。
6日の裁判で、福島県富岡町から仙台市などに避難し、現在は千葉県に住む原告は「事故ですっかり人生狂わされてしまった。同じ過ちを繰り返さないために、国と東京電力の加害責任を明確に認めていただきたい」と訴えました。
原告側によりますと、国と東京電力はその後の非公開の協議で、訴えを退けるよう求めたということです。【共同通信】