基準以下に薄めて海に放出する方針が決まった、東京電力福島第一原子力発電所のトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、環境省は海洋放出に伴って、周辺の海域で1年間に4回程度、放射性物質の詳細な分析を行う案を示しました。
これは6日、オンラインで開かれた環境省の専門家会議で示されました。
福島第一原発にたまり続けるトリチウムなどを含む処理水について、政府はことし4月、基準を下回る濃度に薄めたうえで、2年後をめどに海に放出する方針を決めました。
6日の会議では、安全性の確認や風評被害対策のために課題となっている、放射性物質の濃度を測定する「モニタリング」について、環境省の担当者が案を示しました。
この中ではモニタリングの頻度について、海洋放出を始めた直後には放出口の近くの海域で高い頻度で行い、その後は周辺の海域で1年間に4回程度、詳細な分析を行うことを基本とするとしています。
この案はおおむね了承されましたが、出席した専門家からは、簡易的な分析で速報値を公表すべきだという意見も出されていました。
環境省は今後、公表の方法や関係機関との連絡体制などについて議論を進めることにしています。【NHK】