東京電力福島第1原発事故で福島県などから北海道へ転居を強いられたとして、自主避難者ら181人が東電と国に損害賠償を求めている訴訟で、原告弁護団は21日、東電の代理人弁護士が各原告の裁判外での賠償額を明らかにしたのは「分断をあおる」として、抗議書を送った。
昨年3月の札幌地裁判決は原告89人に計約5290万円を賠償するよう東電と国に命じ、原告と被告双方が控訴。東電の代理人は今年6月、控訴審の口頭弁論で、個別の賠償額を法廷内に設置したプロジェクターに提示した。
原告弁護団長の島田度弁護士は21日、札幌市内で記者会見し「個別の賠償額は訴訟記録でも閲覧制限されるなど、慎重に取り扱われてきた。プライバシーに関わる重大な情報と知りながら提示するのは理解に苦しみ、非常に不当だ」と訴えた。【産経新聞】