原発のコストは、04年の試算では、当時建てた場合、1キロワット時あたり5・9円だった。11年には廃炉や除染の費用なども加わり8・9円以上に上昇した。15年には安全対策費の増加も踏まえ30年時点で10・3円以上だとしたが、それでも電源別では最も安いとされていた。
太陽光は、2030年時点で事業用が8円台前半~11円台後半、住宅用が9円台後半~14円台前半となった。前回15年時は事業用が12・7円~15・6円、住宅用が12・5円~16・4円だった。想定より導入が進み、設置費用が下がっていることを反映させた。
試算は2015年以来6年ぶり。電源を新設し数十年稼働させて廃棄するまでにかかる費用を総発電量で割って算出した。経産省の担当者は「モデルを置いた試算で前提を変えれば結果は変わる。傾向をつかみ政策の参考にするものだ」という。
太陽光は夜間は発電できないこともあり、経産省は原発を安定的に電力供給できる「ベースロード電源」だとして重視している。【朝日新聞】