避難計画などに不備があるとして、日本原子力発電東海第二原発(茨城県東海村)の運転差し止めを命じた3月の水戸地裁判決を巡り、原電は7日、控訴理由書を東京高裁に提出した。
原電は理由書で、判決は重大な事故が現実に発生する恐れを認めていないと指摘。一方で、事故による放射線被ばくなどの人格権侵害を運転差し止め理由としているのは「明らかな矛盾」だと説き、過去の高裁の判断にも反するとしている。自治体の避難計画策定は途上で、今後充実が図られることを無視し、著しく不合理だとも主張している。
判決は、東海第二が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点はないとした上で、原発から30キロ圏内の自治体に策定義務がある広域避難計画などの防災体制に不備があるとして、30キロ圏内に住む原告の請求を認め、運転差し止めを命じた。
原電は、判決翌日の3月19日に控訴。原告側も、30キロ圏外の住民120人が既に控訴している。【東京新聞】