福井県が4月12日発表した県内原発の2020年度運転実績によると、総発電電力量は161・2億キロワット時となり、19年度に比べて43%減少した。定期検査中の設備トラブルなどで長期停止したことが要因。
廃止措置中のプラントを除くと、県内の原発は関西電力の7基と日本原電の1基。20年度の稼働実績の内訳は、大飯3号機32・1億キロワット時、大飯4号機83・2億キロワット時、高浜3号機4・3億キロワット時、高浜4号機41・5億キロワット時。プラントの運転時間の割合を示す時間稼働率は20・9%。発電能力に対する実際の発電量の割合を示す設備利用率は23・8%だった。
安全協定に基づく異常事象は4件発生。このうち設備トラブルは2件で、9月に大飯原発3号機の配管溶接部の傷と、11月に高浜4号機の蒸気発生器(SG)の細管損傷が見つかった。残り2件は労働災害だった。
設備トラブルでは、高浜3号機も定検中の19年2月にSGの損傷が判明し、調査対応で21年3月まで停止が続いた。
福島第1原発事故以降、総発電電力量が最も高かったのは18年度の314・8億キロワット時。19年度は279・8億キロワット時だった。【福井新聞】