東京電力は1日、福島第一原発3号機で続けている原子炉への注水を8~15日の1週間、試験的に停止すると発表した。原子炉格納容器内の水位低下や、炉内の温度上昇の程度のほか、水が漏れている損傷部分も確認する。
10年前の事故で炉心溶融(メルトダウン)した3号機では、原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)が残る。東電はデブリ冷却のため、1時間3トンの注水を続けている。注水停止試験で格納容器の温度は2度程度、圧力容器底部は4度程度上昇すると見込む。2020年2月の48時間の注水停止試験では、圧力容器底部の温度は0.6度上昇した。
3号機原子炉では、2月13日の最大震度6強の地震後に格納容器内の水位が30~40センチ低下。事故時に損傷した部分が広がり、漏れ出た可能性がある。今回の試験では、原子炉建屋1階にカメラを入れて、漏えい箇所の配管部分の撮影も試みる。また、漏えい箇所の配管よりも水位が下がるかどうかも確認する。【東京新聞】