東京電力柏崎刈羽原発で核物質防護体制の不備が相次いだ問題を巡り、新潟県の花角英世知事は30日の定例記者会見で、4月5日に面会する原子力規制庁の荻野徹長官に対し、同原発が原子炉設置許可の基準を満たしているのかの再評価を要請する考えを示した。
花角氏は原子炉設置許可の基準である、東電の技術的能力に改めて疑問を示した上で、荻野長官との面会について「(再評価などの)アクションを起こしてくれとお願いしたい」と述べた。今回の問題に関する情報が核セキュリティーを理由に限定されていることも課題に挙げ、「できるだけ地域の安心につながる情報提供を考えてほしいと伝える」とも話した。
今月25日には東電の小早川智明社長が県庁を訪れ、花角氏に一連の問題を謝罪した。花角氏はこれまでも失態が起きるたびに東電に対して「行動と実績」で信頼を取り戻すよう求めてきた経緯を踏まえ「残念ながら違う実績が出てきている」と苦言を呈した。
来県した小早川氏から説明を受けた自民党県議からは批判が噴出し、東電の柏崎刈羽原発からの「撤退」を口にする県議もいた。花角氏は「撤退という前に(原発事業に)参加できる資格があるのか」と述べた。【新潟日報】