原発事故で発生した燃料デブリを冷やす注水が行われている福島第一原子力発電所の1号機で、先月13日の地震のあと、デブリのある格納容器の水位の低下が続いていることから、東京電力は、注水の量を増やす措置をとりました。
福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料と構造物が混じり合った燃料デブリを冷却するため、注水が続けられていますが、このうち1号機では、先月13日の地震のあと、デブリがある格納容器で水位の低下傾向が続いています。
東京電力によりますと、22日午後8時24分の時点で、水位が格納容器の底の部分からおよそ90センチとなり、これ以上水位が下がると監視ができなくなるおそれがあるとして、注水の量を増やす措置をとりました。
注水量は、これまでの1時間当たり3立方メートルから4立方メートルに増やしたということです。
注水に使う水は循環させて再利用しているため、汚染水の発生量に大きな影響はないとしています。
東京電力は、水位低下の原因について10年前の原発事故による格納容器の損傷部分が先月の地震の揺れで広がり、これまでよりも多くの水が漏れている可能性があるとしています。
東京電力は、燃料デブリの冷却は継続され、漏れた水は建屋内にとどまっていて、安全上の問題はないとして引き続き水位を監視するとしています。【NHK】