東京電力柏崎刈羽原子力発電所で不正な侵入を防ぐ検知設備に長期間にわたる不備が指摘された問題で、先月検査を行った原子力規制庁の検査官がNHKの取材に応じました。休日の夜、“抜き打ち”の形で訪れた際、壊れた設備の代替措置の中には機能しないものがあり、その後、外部からの侵入を防ぐことができないと判断されたということです。
原子力規制庁の柏崎刈羽原子力規制事務所の渡邉健一所長は、東京電力が報告した代替措置を確認するため、本庁からの指示で先月21日、日曜日の午後9時ごろ、部下の検査官と2人で原発に入りました。
渡邉所長によりますと、検査は事前に日程調整をせず、いわば“抜き打ち”の形で行われ、訪れたところ、代替措置の中には、機能しないものがあったということです。
写真を撮るなどして本庁に報告し、その後、外部からの侵入を防ぐことができないと判断されました。
去年4月に本格導入された国の新しい検査制度では、従来より自由な検査をしやすくしており、渡邉所長は「核物質防護の確認をする本庁も含むチーム検査だと、いつごろ検査を始めるかなど、日程の調整が必要になる。平日の昼間に入っても検査の結果は同じだったかもしれないが、“フリーアクセス”の効果はあったと思う」と話していました。
東京電力は「検査の評価を重く受け止め、意見陳述がない旨を原子力規制委員会に返答した。規制庁の検査に対しては真摯(しんし)に対応するよう努めている」としています。【NHK】