関西電力は26日、2050年までに目指す二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロに向け、考え方や方向性をまとめた「ゼロカーボンビジョン2050」を公表した。エネルギーの需要側と供給側での脱炭素の取り組みに加え、水素社会への挑戦を3本柱に据えた。森本孝社長をトップとする専任組織も立ち上げる考えだ。
まず需要側では、脱炭素を実現するためのソリューションを顧客に提供する。エネルギー管理の高度化や、再生エネルギーと蓄電池を組み合わせたシステムの提案などを進める。
供給側は再エネの導入を加速し主力電源に育てる。原子力では小型モジュール炉(SMR)などの新増設を視野に入れる。一方、CO2排出量の多い石炭火力は脱炭素に貢献できない場合は新規計画を立てないと明記した。
燃焼時にCO2を出さない燃料として注目が高まる水素については「ゼロカーボン社会のために必要不可欠なエネルギー」と説明。再エネや原子力に由来する電力を使って水素を生産し、輸送や供給、発電燃料としての使用に挑む。【日本経済新聞】