東京電力は19日、福島第2原発に勤務していた30代の男性社員が、同原発の敷地内に入るためのIDカードを紛失していたと発表した。原子炉を運転する中央制御室を除いた防護区域まで入域できるカードで、すでに無効化され使用できない状態となっているものの、2012(平成24)年2月~15年4月の使用履歴が分かっていない。
16日に本人から届け出があり発覚した。東電によると、この社員は12年2月まで第2原発に勤務し、その後、第1原発に異動。カードは個人に貸与されており、本来は異動の際に返却の必要があったがあいまいになっていた。社員は異動後も第2原発に数回入構しており、現時点で紛失の時期は不明という。
東電は「入構にはIDカードの他にも個人を認証する必要があり、他者の不正利用はなかったと考えている」としている。今後、詳細に調査した上でこの社員の処分を検討する。
また、柏崎刈羽原発(新潟県)で1月27日、侵入検知に関わる核物質防護設備を破損するトラブルがあったことも公表した。同原発では昨年9月、社員が同僚のIDカードを使って建屋内の中央制御室に不正入室する問題が発生している。【福島民友新聞】